地域で医師、看護師やその他専門職種を育てる
当院は開設の理念として、在宅医療を実践し地域医療に貢献することと並んで、「地域で医師を育てる」ことを大きな柱にすえてこれまで活動しています。
そもそも医学生、そして研修医時代に「どうしたらいい医者になることができるのか」について、医師法を担当する厚生官僚をはじめとした外部講師を招く勉強会を定期的に開催するなど、青臭く議論を重ねていました。専門医養成偏重の傾向を鑑みて、その仲間で「いい医者を養成するなら地域でゆるぎない臨床経験を重ねるのが一番だ」と考えるに至りました。そうだとしたら、自分たち中堅医師が大病院に勤務しているのは自己矛盾になりかねません。地域医療に自ら従事すること、そのありようが教育の現場として価値のあるものになるような実践をライフワークにしたいと考え、在宅医療を中心にすえたグループ診療のクリニックを開設したのでした。
医師法改正にあたってロビー活動にも関わり、当時私たちが主張していた論点、たとえば地域医療を必修化することを含めて制度化がなされ、今日に至っています。これまでに数多くの研修医の地域医療研修をはじめとして、医学生や看護学生、さらには開業医や病院看護師などなど、さまざまな医師、看護師、その他専門職種の研修を受け入れています。