あらゆる活動は「臨床」のために営まれる
病いや障害を持ちつつ在宅で暮らす生活者にとって、「医療」は水道や電気、ガスと同様にライフラインに位置づけうる必須の要素と言えます。しかし、在宅医療においては単に自宅で医療提供を行うにとどまらず、患者さんの生活や人生、とりまく家族や地域を把握し対応する必要があります。つまり、緻密な診断や最高水準の医療遂行以上に、平穏な生活の継続や苦痛の緩和、生活の質の維持向上に重きを置くという立場です。
このように、在宅療養者を支えるには「医療」だけでは片手落ちであり、生活を支える視点が必要不可欠です。その意味で、在宅医療という臨床活動の営みにおいて、狭義の「医療」以上に「ケア」が重要であり、その中心を担う「看護」が在宅医療の根幹を支えるということができます。当院が大切にしている「患者中心の医療ケア」や臨床実践については、映像教材「在宅医療の風」でその一端を感じていただけると思いますので、是非ご覧下さい。
「連携」や「教育」、「研究」、「地域活動」というさまざまな実践も、すべてこの「臨床」につながっており、患者さん、そして地域へと還元するための営みとして取り組んでいます。当院が開設時以来こだわって取り組んできた実践やその言語化をこの「臨床」のページでご紹介したいと考えています。