あおぞら診療所では平成23年度、松戸市内の薬局を対象とした「在宅医療連携薬局連絡会(以下、連絡会と略)」を立ち上げました(2012年7月現在,会員数38薬局)。連絡会では、1)薬局が他職種と在宅医療の連携を図る上での訪問薬剤管理指導の課題を明らかにし、改善と充実を図ること、2)その他、在宅医療における薬局業務に関わるものについても同様の検討を行うことを目的に活動を行っています。
連絡会の組織化にあたっては、平成23年5月に市内の薬局に参加を呼び掛けて説明会を開催しました。説明会では在宅医療で薬剤師が果たす役割や連絡会で検討すべき活動等に関して課題を提起し、それに基づいて意見交換を行いました。
その後、連絡会会員薬局の薬剤師8名(2012年7月現在)からなる連絡会世話人会を連絡会代表として位置づけ、世話人会を中心に説明会のアンケートをもとに選定した以下の3つの重要課題について解決に向けた議論を行ってきました。各テーマごとに担当世話人を決め、2、3ヶ月ごとに世話人会で各テーマを討議をすすめると共に、平成24年1月19日に第1回連絡会総会を開催しました。総会では3つのテーマの進捗報告と「麻薬を含めた薬剤に関する365日の安心を提供する」と題するグループディスカッションを行いました。
患者宅への訪問の仕方から居宅療養管理指導の契約書作成、訪問薬剤管理指導の実際、報告書に盛り込むべき内容に至るまで、在宅未経験の薬剤師が取り組めるようなマニュアルや書式整備を目指す。
担当世話人を中心に、「訪問薬剤管理指導」の一連の流れ(「訪問薬剤管理指導の届け出」→「訪問薬剤管理指導の依頼・紹介」→「訪問薬剤管理指導の実際」→「訪問薬剤管理指導 報告書の作成」)に対応した注意点や書類の書式例をまとめたマニュアルを作成し、第1回連絡会総会で説明、報告をしました。
今後は、「訪問薬剤管理指導」を初めて行った薬局がより充実した訪問薬剤管理指導を行えるように、『「訪問薬剤管理指導」次の二歩 』のマニュアルを作成する予定です。
患者宅への訪問の仕方から居宅療養管理指導の契約書作成、訪問薬剤管理指導の実際、報告書に盛り込むべき内容に至るまで、在宅未経験の薬剤師が取り組めるようなマニュアルや書式整備を目指す。
直接、薬局に処方箋を届けることが難しい理由として、患者さんが独居であったり、FAXが無かったりといったことが挙げられます。そこで、FAXでの対応が難しい場合に、家族あるいは訪問する側(家族以外が代行して処方する場合は承諾書が必要)がiPhone のアプリ機能や携帯式のスキャナーを用いて、処方箋を薬局にFAX送信するやり方を検討しています。
また、薬局へ伝達する方法を具体的に示したパンフレット患者さん向け作成を目指しています。
土日・祝日や夜間、お正月等にも切れ目のない対応ができる体制づくり、特に薬局間譲渡が容易でない麻薬にも対応できる体制を検討する。
担当世話人が中心となって「365日の安心」に対応した処方箋調剤を目指した輪番制の原案を作成しました。その原案をもとに第1回連絡会総会で輪番制の条件(対応時間や待機方法、エリア等)、必須麻薬在庫や情報共有の仕方等について議論、意見交換を行いました。
グループディスカッションでは、どのようにしたら輪番制を実施できるのかに焦点を当て議論を行うことで様々なアイディアが出されました。
また、診療所が緊急時に備えた常備薬を整えたり、予見できる急性症状に対応した頓用薬処方を事前に講じることで、薬局側が24時間体制を整えなくても365日の安心を提供できるシステム作りについて議論がなされました。
【平成23年度】 | 【平成24年度】 |
・薬局連絡会説明会 ・第1回薬局連絡会総会 |
・第2回薬局連絡会総会 |